肩こりというと肩や首の筋肉だけが原因のように思いがちですが、実は全身の骨格や姿勢のバランスが深く関わっています。
加えて、姿勢が崩れることで血行不良が進み、疲労物質や老廃物が蓄積しやすくなるなど、免疫力の低下も引き起こす可能性があります。
やめるだけ健康法の視点
“猫背のまま長時間過ごす”“首を前に傾け続ける”など、身体に負担となる姿勢をとり続けることをやめるだけでも、筋肉の過度な緊張を防ぎやすくなり、自然治癒力や免疫を守りやすくなります。
猫背や反り腰が肩こりを悪化させる仕組み

頭の重さと首〜肩への負担
人間の頭部は約5kg前後といわれます。
- 猫背状態で頭が前に出るほど、首〜肩への負担が急増
- 頭が前に傾く角度が大きいほど、首や肩甲骨まわりの筋肉が過度に引っ張られ、こりやすくなる
また、頭が前に出る姿勢は血行不良を招きやすく、免疫力の低下にもつながる可能性があります。
背骨のS字カーブと筋肉の緊張
理想的な背骨は横から見るとS字カーブを描いています。この自然なカーブが保たれることで、重力をバランスよく分散し、首や肩に余計な負担がかかりにくいのです。
- 猫背: 胸椎が過度に丸まっている
- 反り腰: 腰椎が過度に反っている
どちらも筋肉のアンバランスを生み、肩こりを悪化させる要因に。
特に反り腰は、肩甲骨まわりにも影響が出るため、肩こりだけでなく腰痛も引き起こしやすい点に注意が必要です。
やめるだけ健康法の視点
- 長時間同じ姿勢を続けることをやめるだけでも、S字カーブを保ちやすくなる
- 小まめに体を動かし、筋肉の緊張を溜め込まない工夫が、肩こり&免疫低下のダブル予防に
良い姿勢を作るためのポイント

簡単な立ち方・座り方チェック
立ち方チェック
- かかと・お尻・肩甲骨・後頭部が一直線になるよう、壁に背中をつけて立つ
- 壁から離れても、この形をキープできるか確認
- お腹を少し引き締め、お尻を軽く締める意識を持つと自然なS字カーブが保たれやすい
座り方チェック
- 椅子に深く座り、背もたれと腰の間にスペースができすぎないようにする
- ひざは90度程度に保ち、足裏をしっかり床につける
- デスクトップやPC画面は目線の高さを意識し、首を前に傾けすぎない
やめるだけ健康法では、「悪い座り方や立ち方を“やめる”」という視点で考えると、余計な意識づけをしなくても日常のちょっとした動作を少し正すだけで健康を守りやすくなります。
こまめに姿勢を整える習慣づくり
- 1時間に1回は立ち上がって伸びをする
- スマホ操作中は、顔を下に向けすぎないように持ち上げる
- デスクワークの合間に肩甲骨を回す、背中を反らすなどの軽いストレッチ
こうした短時間のアクションを挟み、同じ姿勢を続けるのをやめることで、筋肉の疲れや血行不良の蓄積を防ぎます。
姿勢矯正グッズの活用はアリ?
最近は、着るだけで姿勢を補正してくれるベルトやアンダーウェア、クッションタイプのサポーターなど、様々な姿勢矯正グッズが登場しています。
上手な使い方と注意点
- 短時間のサポートとして利用:長時間使用し続けると、逆に筋力低下を招く恐れも(最低限で!)
- 意識づけのために活用:背中が丸まった時に気づきやすくなる、姿勢のクセを再認識できる
- 自分の体に合ったサイズを選ぶ:きつすぎるものは血行を妨げ、肩こりを悪化させることもある
やめるだけ健康法では、むやみにモノに頼るのではなく、「猫背をキープする姿勢をやめるための補助」として使うのが理想的。最終的には、自分の筋肉で正しい姿勢を保てるように目指しましょう。
まとめ
猫背や反り腰など、姿勢の乱れは肩こりの大きな要因になります。
正しい姿勢を保つためのポイントを意識するだけでなく、余計な負担をかけ続ける姿勢を“やめる”という考え方が、肩こりの予防・改善と免疫力の向上に効果的です。
本記事のポイント
- 頭が前に出る姿勢が肩こりを悪化させる
- S字カーブをキープしないと筋肉が硬くなりやすい
- “やめるだけ健康法”で、悪い姿勢を長時間続ける習慣をやめることが、肩こり&免疫ケアの基本
「悪い姿勢をとったまま休憩しない」「疲れていてもそのまま作業を続ける」などの習慣を見直し、軽いストレッチやリラックスを挟んであげるだけでも大きく変わります。
日々の心がけで、自然治癒力を高めながら肩こり知らずの身体を目指しましょう。